ファッション通をはじめ、さまざまな分野で活躍されている方々が、スローンの魅力を語る連載 ”My Essential” 。第3回は、スタイリスト・佐藤佳菜子さんのご登場です。一際おしゃれに品よく見せるスタイリングで、多くの大人の女性たちから支持を得ている佐藤さん。ブランドがスタートした当初からスローンを愛用し、仕事でもプライベートでも着用されている佐藤さんだからこそ語れる“スローン愛”と、秋冬のおすすめコーディネートを伺いました。
―スローンと初めて出会った時の印象は？
このような気の利いたニットブランドは今まで日本にはなかったので、求めていたものが見つかった、と嬉しい気持ちでした。シンプルなものは細かいところにこだわらないと地味な感じになってしまうけれど、スローンはそのこだわりを追及していると思いました。
―そのこだわりとは、具体的にどんなところですか？
首元の空き加減、編み地、リブの幅、シルエットなどのバランスです。このようなディテールへのこだわりは、ファッショニスタにとって重要なポイントです。
―ウィメンズ服よりも、メンズ服で重要視されているディテールへのこだわりですね。
ディレクターが男性で、ユニセックスブランドだからこそ実現できる世界観なのかもしれませんね。スローンはシンプルにメンズアイテムをサイズダウンしているところが潔い。そこが、私たちファッション業界人をはじめ、服好きな人々のニーズにマッチしていました。
ー秋冬コレクションの中から、1着目に着ていただいたのは、目に鮮やかな赤いニット。
これは、新静岡セノバ店のオープンを記念した限定カラーです。
インパクトのある赤にオフホワイトのパンツ、ベージュの小物を合わせてやわらかいイメージにまとめました。白いカットソーをインナーに挟むと、余白ができて顔とのバランスを取りやすいと思います。
4Gリブ メリノウール ボーダーラウンドネック SL7W-334
ー2着目はシンプルなボーダーのニットを着ていただきました。いかがですか？
シルエットがタイト過ぎず、ゆる過ぎない。ボディラインを拾いにくく、身体を綺麗に見せてくれる優秀なニットです。ある程度大人になると、首元が詰まってきちっとしている方が素敵に見えると思うので、このくらいの開き加減が丁度いいですね。
素材はエクストラファインメリノウールで暖かく、肌の上に直接着てもチクチクしないので、着心地もお気に入りです。
ボリュームのあるスカート、コンビカラーのローファーと、遊び心のある象さんの大きめバッグをアクセントにしてみました。
―スローンのニットはサイズが豊富ですよね。普段のサイズ選びはどうしていますか？
私は、ジャストサイズで着たい時は「2」、たっぷり着たい時には「3」「4」という具合に、サイズ違いで買っています。同じニットでも着るサイズによって表情が変わるのも魅力ですね。
―3着目に着ていただいたグレーのモヘヤニット。コーディネートのポイントは？
モコモコしているモヘヤのニットは、表面がツルツルした素材のボトムに合わせました。私は身体が小さいので、全身ブカブカになるようなボリューム感では着こなせないから、シンプルなアイテムと合わせてニットを主役に仕上げました。これはネックの詰まり具合が気に入りました。毛足が長くてモコモコした可愛い素材なのに、甘えていないシルエットは貴重です。インナーに白のカットソーを覗かせて顔周りを爽やかに、白いパンツは黒ベルトで引き締めて脚を長く、全身のバランスをとっています。クルーネックは、首が詰まっていれば詰まっているほど可愛いな。
―スローンのニットを普段のコーディネートにどのように取り入れていますか？
私はデコラティブなものを着ることも多くて、デザイン性があるスカートやパンツが好き。それをニュートラルにモダンに見せるアイテムとして、シンプルで素材がいいスローンのニットを合わせています。シンプルで余計なものがないニットを見つけるのはなかなか難しいので、いつも大活躍しています。スローンのニットは本来、主役になれる存在だけど、仕事だとトレンドのものや主張の強いものを引き立ててくれる名脇役として使うことが多いです。いつも相棒としてそばにいてほしい存在です。
―佐藤さんが普段着ているスローンのニットはどれですか？
私が大好きなのはシルクのニット。肌触りが良くて、ストレスゼロです。クルーネックやカーディガンなどたくさん持っています。それと、昔から大活躍しているのは、綺麗が永くつづく30ゲージのニット。これは何年も愛用しているアイテムです。
―佐藤さんは、ご自身で愛用されているのはもちろん、スローンのニットを贈り物としても活用されているそうですね。
家族や友人にプレゼントすることが多いのですが、どなたに贈っても喜ばれます。差し上げた人はみんながファンになっちゃう（笑）。
シンプルでディテールにこだわった上質なニットがいらなくなる時代なんて来ないですよね。トレンドが移り変わっても、いつの時代でもワードローブに必要な存在だと思います。
PICK UP ITEM
3Gジーロンラム×カシミヤ ドロップショルダー SL3W-063
5Gジーロンラム×カシミヤ クルーネック SL8W-461
（赤は新静岡セノバ店・公式オンラインストア限定色）
純血種の羊毛からしか採取出来ないソフトな風合いのスーパージーロンラムズウールに、カシミヤをブレンドしたスローンオリジナル糸を使用。どちらのモデルもサイドスリット入り。
※9月28日、新静岡セノバ店オープン、
オフィシャルオンラインストアでは9月29日より販売開始
14Gリブ メリノウール ラウンドネック SL3W-008（無地）
14Gリブ メリノウール ボーダーラウンドネック SL7W-334（ボーダー）
＊佐藤さんはボーダーを着用。
スローン定番のリブニット。柔らかなエクストラファインメリノウールを用い、丁寧に編み立てたラウンドネック。フィットしすぎず、身体を美しく見せる絶妙なバランス。ウィメンズモデル。
５Ｇ天竺モヘヤ クルーネック SL8W-480
５Ｇ天竺モヘヤ ショート丈クルーネック SL8W-481
＊佐藤さんはショート丈クルーネックのグレーを着用。
光沢のあるソフトな風合いのキッドモヘヤを用い、5ゲージ天竺を丁寧に編み立てたモヘヤシリーズ。起毛後にさらに縮絨加工を施すことで毛足に独特なニュアンスがうまれ豊かな表情に。
静岡県出身。慶應義塾大学卒業後、2007年にスタイリストとして独立。「BAILA 」や「VERY」などのファッション誌をはじめ、ブランドのWEB LOOK BOOKのスタイリングやコラボ商品の開発など多方面で活動。ウェブマガジンmi-molletで毎週木曜日に「小柄なスタイリストの普通の日のおしゃれ」を連載中。 Instagram: @kanakosato1019
佐藤さん着用の私物：
1. 赤ニット
パンツ ELENDEEK
バッグ JACQUEMUS
靴 Maison Margiela
2. ボーダーニット
スカート euzeen
バッグ LOEWE
ローファー POLETTE
ピアス BOTTEGA VENETA
ブレスレット DAMIANI
ブレスレット MARIHA
3. モヘヤニット
パンツ LOEFF
Tシャツ LOEFF
ベルト MAISON BOINET
靴 Common Projects
ピアス enesoluna
Writer：小泉 恵里
Photographer：中川 淳
